請求書や見積書を職員が作る事務所では、角印(社印・事務所印)の電子印鑑を職員にも使ってもらう場面があります。そのとき多いのが、「共有フォルダに印影の画像を置いておく」「メールで画像を送る」というやり方です。
手軽な一方で、画像はコピーすれば誰でも使えるので、誰が持っていて、どこで使われたのかが分からなくなりがちです。この記事では、事務所の角印の電子印鑑を職員と共有するときに決めておきたいことと、その運用例を紹介します。
Excel や Word に電子印鑑を押す手順は「Excelに電子印鑑を押す方法」で説明しています。
この記事でわかること
- 共有フォルダ・メールで印影を配るときの問題
- 管理で決めておく 3 つのこと(使える人・使われた記録・外すとき)
- 電子化して共有してよい印鑑と、やめておく印鑑
- ツールで共有する運用例
共有フォルダやメールで配ると何が困るか
| やり方 | 困ること |
|---|---|
| 共有フォルダに置く | フォルダを見られる人は全員使える。誰がいつコピーしたか分からない |
| メールで送る | 受け取った人のパソコン・メールに残り続ける。転送もできる |
| 各自のパソコンに保存してもらう | 退職・異動のときに消してもらったか確かめられない |
どの方法も、一度渡した画像を取り戻せないことが共通の弱点です。
管理で決めておく 3 つのこと
1. 使える人を決める
角印を押す業務(請求書の発行、見積書の作成など)を担当する人だけが使えるようにします。担当でない職員の手元には置かない、というのが基本です。
2. 使われた記録を残す
いつ、誰が使ったかを後から確かめられると、万一のときに調べられます。少なくとも「どの書類に押してよいか」を決め、押した書類は控えを残すようにします。
3. 退職・異動のときに外す
担当を外れた人が使えないようにします。各自のパソコンに画像を保存している運用だと、ここが確かめられません。
電子化して共有してよい印鑑、やめておく印鑑
| 印鑑 | 主な使いみち | 電子化して共有 |
|---|---|---|
| 角印(社印・事務所印) | 請求書・見積書・領収書 | 決めた担当者になら一般的 |
| 認印 | 社内の承認・受領 | 本人だけが使う |
| 職印(資格者の印) | 資格者として出す書類 | 資格者本人だけ。職員に渡さない |
| 代表者印(会社実印)・銀行印 | 契約・登記・銀行手続き | 電子化して共有しない |
画像を貼っただけの電子印鑑は、紙の認印や角印と同じ使い方をするものです。契約書など本人の確認が必要な書類には、電子署名を使う電子契約サービスを使います。
ツールで共有する運用例
ここでは、PasteSync を使った例を紹介します。PasteSync は、文章や画像をテンプレートとして保存し、どのアプリにも 1 クリックで貼り付けられるツールで、テンプレートを置く「ボード」ごとにメンバーを招待して共有できます。
印影専用のボードを作り、担当者だけを招待する
角印用のボードを 1 つ作り、印影の画像(背景が透明な PNG)をテンプレートとして登録します。そのボードには、角印を押す担当者だけを招待します。ほかの定型文やプロンプトのボードとは分けておくのがポイントです。

ボードのメンバーには役割を付けられます。
| 役割 | できること |
|---|---|
| オーナー | メンバーの招待・削除、すべての操作 |
| 編集者 | テンプレートの作成・編集 |
| 閲覧者 | テンプレートの閲覧・コピー(貼り付け)のみ |
印影を使うだけの職員は「閲覧者」にしておけば、印影の画像を差し替えたり消したりはできません。
使うときは、パネルから 1 クリック
担当者は、Excel や Word を開いたまま ⌘⇧Space(Windows は Ctrl+Shift+Space)でパネルを出し、印影をクリックするだけで貼り付けられます。印影の画像ファイルを自分のパソコンに保存しておく必要はありません。

使われた記録を見る、担当を外す
ボードの「アナリティクス」では、テンプレートがいつ、どれだけ使われたか(コピーされたか)を確認できます(オーナーと編集者だけが見られます)。担当が変わったときは、ボードのメンバーから外せば、そのボードの印影はパネルに出なくなります。
まとめ
- 共有フォルダやメールで配った印影は取り戻せない。誰が持っているか分からなくなる
- 決めておくのは「使える人」「使われた記録」「担当を外れたときに使えなくする」の 3 つ
- 電子化して共有するのは角印・認印まで。職印は資格者本人だけ、代表者印・銀行印は電子化して共有しない
- ツールを使うなら、印影専用のボードを分け、担当者だけを招待する